捨てた名刺

ずっともっていた連絡先があった。でももう捨てた。

アドレスや電話番号のデータは、とっくの昔に消したけど、名刺を一枚だけ残していた。

 

人生経験が浅いから、間違っているかもしれないけれど、人の思いって行動に現れたものが真実なんじゃないかと思う。

 

とても口のうまい人がいて、一見、親切そうだった。

でもなんとなく、表面的に話していて、根っこが冷めているような印象だった。

自分はどちらかというと、口数は少ないけど、根っこがメラメラ燃えているような、少々暑苦しい人なので、そんな冷めてる人と話すことが面白かった。

自分と違いすぎて面白いと思ってしまった。

 

でもその人は、ぜったいに自分から動かない人で、人を助けない人だった。

それに、自分のために平然と人を傷つけられる人だった。

 

辛そうな人に声をかけたり、手伝ったり、そういうことって当たり前なことだと勘違いしていたから、そうじゃない人に出会って、

悲しんでる人を笑ったり馬鹿にしたり、とにかくなんでも鼻で笑うような人に出会って、

驚いたし、悲しかったし、怒りまで込みあげてきた。

 

当たり前が当たり前じゃないんだって気づいたとき、信じられなかったし、怖かった。

こういう人って本当にいるんだなって知った。

 

自分がおいしければ誰かがどうなったって関係ないって人。

相手がどうして傷ついてるのかすらわからないし、そんなことに興味すらない人。

 

 

以上、今日捨てた人の話でした。